遺言はご自身の最後の意思表示となります
遺言と聞くと「死ぬ前に書くもの」というイメージがあります。確かに遺言は本人が生前に効力を発生する事はありません。ですから、「死ぬ前に書くもの」という認識は誤りではありません。
但し、「死ぬ前」とはいつのことでしょうか。人は必ずいつかは死にます。これは普遍的な事実です。しかも、人はいつ死ぬか正確には分かりません。また、本当に死を前にした時、後顧のことを考える力が残っていないかもしれません。
しかし、人は誰でも財産の多寡にかかわらず、自分の財産をどうしたいかと言う考えは持っているはずです。これを書面に残しておくということが「遺言を書く」ということなのです。
また、自分の死後に、残された者が財産をめぐって争うことほど、悲しいことはありません。残される者が幸せに暮らせる為にも「遺言」を書いておくことをおススメします。
遺言はいつでも変更できるので、事情が変われば、内容を変えることも出来ます。
特に以下の場合は遺言を書いておいた方がいいと考えます。
・子供がいない夫婦
・内縁関係にある
・相続関係が複雑である
・認知したい子がいる
・相続人がいない
・相続権のない人に財産を譲りたい
・家業の後継者を指定したい
@自筆証書遺言
本人が自筆し、署名・捺印を必要とする方式の遺言です。証人や立会人は不要です。
メリットとしては、費用が安くすみ、秘密を保つことはできる点にあります。
デメリットとしては保管が難しく、内容に書き漏らしがあり得ること、加筆訂正の方式が不備になりやすいことなどです。
参考
コラム:自分だけで遺言書を作成したい
A公正証書遺言
二人以上の立会人が必要です。立会人と共に、公証役場へ行き、公証人に遺言書を筆記してもらい、本人・証人・公証人が署名・捺印をします。
メリットとしては死後の裁判所の遺言書検認が不要で、保管・内容が確実であることです。
デメリットとしては費用が自筆証書遺言に比べて高くなる事と、遺言を作成した事の秘密が漏れる心配があることです。
B秘密証書遺言
本人自筆の必要なく、署名・捺印が本人であればよい。
証書に使用した印鑑で封印し、公証人か証人2名以上の前で封書を提出し、自己の遺言である事を述べます。
メリットとしては秘密保持が最も高いことです。
デメリットとしては手続きが煩雑な上、不備の可能性は高く、費用は高く、しかも死後の裁判所の検認も必要となることです。
遺言書に残せる内容は?
遺言書に遺訓のような内容も一応書いておく事は可能だが、法的に効力のある遺言の内容は以下の内容です。
・子供の認知・未成年後見人及びその後見監督人
・遺贈先の指定・寄付・信託の設定
・相続分の指定とその委託・遺産分割方法の指定とその委託
・遺産分割の禁止・相続人相互の担保責任の指定
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